無料メールマガジン詳細

NO.260

火災:核燃料サイクル工学研究所の燃料開発室で 「窒化物」容器のふた外れ/茨城

■■ ESHの解決策
■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
                          2010.8.4 No.260

企業の環境&安全衛生、ISO14001、OHSAS18001の担当者、管理責任者を
支援するサポーターメールマガジン

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

◆ご挨拶

連日の猛暑日に早くも夏バテ気味ですが、皆さまはいかがでしょうか?

さて先日、主人が仕事の関係でマレーシアに行ってきました。驚く話をお土産
に聞かせてくれたのでご紹介します。

一つ目は「冷えてることが最大のおもてなし」という話です。現地が常夏の国
であることはご存知かと思いますが、ホテルなどでは冷房(21度設定)でキン
キンに冷やすこと=おもてなしと信じられているそうです。このため主人はカ
ゼを引いて帰ってきました。

二つ目は「思わず手を引っ込めるタバコのパッケージ」です。同国の厚生省は
喫煙者の減少を狙って今年からタバコのパッケージを変更しました。そのデザ
インとは、喫煙が原因で癌になった人や、死産した赤ちゃんなど、思わず目を
そむけたくなるグロテスクな写真がすべてのタバコにベッタリ・・・。日本で
は10月の増税でタバコ販売数量の落ち込みが予想されますが、効果のほどが
気になります。(門)

———————————————————————

■環境不祥事の教訓

◆火災:核燃料サイクル工学研究所の燃料開発室で 「窒化物」容器のふた外
れ/茨城 (7/24)

23日午前9時53分ごろ、日本原子力研究開発機構核燃料サイクル工学研究
所(東海村)の核燃料を試作するための「プルトニウム燃料第1開発室」で、
ウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料の一種「窒化物燃料」が入っ
たステンレス合金製の容器(直径、高さとも15センチ)のふたが外れ、火災
が発生した。

作業員が119番通報するとともに、室内に設置された金属消火剤などを使っ
て消火作業を行い、約1時間後に鎮火した。

原子力機構によると、現場近くにいた3人の作業員の健康や外部環境への影響
はないという。

同研究所では今年3月にも装置の電源部で焦げ跡が見つかり、近隣市町村の議
会から安全対策強化を求める抗議を受けたばかり。

機構によると、この日は、来月末に予定されているIAEA(国際原子力機
関)と国による査察の準備作業中だった。作業員は「グローブボックス」とい
う気密性の高い作業台5台の内部で、窒化物燃料入り容器を移動させる作業を
していた。作業員はボックスに開いた穴から腕を通し、手袋越しに核燃料の操
作をしているが、作業員が気付いた時にはボックス内で容器のふたが外れ倒れ
ており、中から火が上がっていたという。

容器のふたにはストッパーが3カ所付いており、力を加えなければ開かない仕
組みになっているほか、容器内には窒化物燃料が入ったプラスチック製の小瓶
2本が収納されていた。

機構は「出火原因は調査中だが、小瓶に入った燃料から漏れた放射性ガスが発
火した可能性などあらゆる原因を考えたい」としている。

機構は今後10日間以内に、国、県、東海村に原因と対策をまとめた報告書を
提出する。

◆解説

同記事を書いた記者のコメントが次のとおり掲載されています。

———————————————————————-
■発表の現場から

火災の一報が機構から県に伝わったのは発生から17分後の午前10時10分。
「やればできるじゃないか」というのが率直な感想だ。

福井支局に勤務していた08年、高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)で
ナトリウムが漏れたという警報が誤作動するトラブルが頻発した。機構が福井
県に連絡したのは発生から約3時間後とあまりに遅すぎたケースもあり、機構
への風当たりがさらに強まった。それに比べれば、速やかに通報しようという
姿勢は評価できる。

ただ、午後0時10分から約50分間にわたって行われた機構の会見は、事故
の詳細に関する質問には答えられず、準備不足が目立った。機構は即答できな
かった8項目の質問に夕方、書面で回答した。

情報把握途中でも会見は必要であり、速報と正確な情報の両立は難しいのは確
かだ。しかし今回は、現場を直接知る職員との意思疎通を欠いたまま会見に臨
んだという印象をぬぐえない。迅速かつ正確な情報を心掛けてほしい。
———————————————————————-

「素早い情報開示」と「正確な情報」の両立は、全ての組織が抱えるリスクコ
ミュニケーションの課題ですね。

同組織のHPには当日中に報告がアップされ、その中には写真も掲載されていま
すが、その写真を見れば大した火災ではなかったことがわかり、リスクコミュ
ニケーションに写真が有効であることを示しています。

★リスクコミュニケーションのベストプラクティスを「ESHエキスパート」で
詳述しています!

【ESHエキスパート】 → http://www.esh.co.jp/expert.html

  ☆【ESHエキスパート】は大手ISO審査機関に審査員教育用資料として
   採用されています。

———————————————————————-

■労働災害の真相

◆熱中症:対策徹底を 工事警備死亡で呼び掛け-岐阜労働局/岐阜 (7/29)

岐阜労働局は28日、恵那市の道路補修工事現場で今月22日、警備中の30
代男性が熱中症のため死亡したと発表した。同労働局は28日付で県内の建設
業者と警備業者に対し、熱中症対策を徹底するよう要請した。

同労働局によると、男性は22日の夕方、急に意識を失い、病院に運ばれたが、
翌日死亡した。熱中症が原因とみられる。県内で、勤務中に熱中症で死亡した
のは03年8月以来。全国で今年、勤務中に熱中症で死亡したのは26日現在
で13人と、すでに昨年1年間の8人を上回っている。

同労働局は、熱中症対策として、休憩場所や休憩時間を確保し、救急時の体制
を整備するよう事業者らに要請した。

◆解説

本号だけでもこの他に2件の熱中症による死亡事故が報告されています。

この男性は30台、48歳、52歳と働き盛りの男性が亡くなっています。

本年6月には、厚生労働省が「熱中症による死亡災害発生状況(平成21年分)に
ついて」の通達を出しており、また、昨年7月には「職場における熱中症予防
対策マニュアル」を出しています。

そのマニュアルの中でもWBGT(Wet-bulb Globe Temperature:湿球
黒球温度)という暑さ指数による監視を推奨しています。WBGTとは、人体
の熱収支に影響の大きい湿度、輻射熱、気温の3つを取り入れた指標で、乾球
温度、湿球温度、黒球温度の値を使って計算します。

環境省は、「熱中症予防情報サイト」をつくり、各地のWBGTを発表してい
ます。また、各地の熱中症患者数を発表していますが、今年の患者は東京23
区内だけで977人に達するとのことです。(7/25までのデータ)

http://www.nies.go.jp/health/HeatStroke/index.html

また、日本気象協会は、5段階の「熱中症指数」を発表していますので参考に
なります。

http://tenki.jp/indexes/heat_syndrome/

適切な作業環境と作業の管理で熱中症を予防しましょう。

★熱中症予防のベストプラクティスを「ESHエキスパート」で詳述していま
す!

【ESHエキスパート】 → http://www.esh.co.jp/expert.html

———————————————————————

★環境・安全衛生のリスク察知感性と解決策の提示力を高める

◆本日発行「ESHエキスパート」の記事紹介

■今日の言霊

「責任を避けるのは簡単だが、責任を避けた結果からは逃れられない」

■新着情報

・土壌汚染対策法に基づく調査、措置、汚染土壌の運搬及び処理に関するガイ
 ドライン(暫定版)の公表

・平成22年度全国労働衛生週間の実施について

■環境不祥事の教訓

 より詳細な解説と参考事例紹介

■労働災害の真相

 より詳細な解説とベストプラクティス紹介

■環境事故・ニュースレポート

 全国の事故・事件情報6件

■労働災害レポート

 全国の労働災害・書類送検情報18件

【ESHエキスパート】 → http://www.esh.co.jp/expert.html

———————————————————————-

本メルマガは、「ESHエキスパート」のダイジェスト版をお届けしています。
(2回/月:第一、第三水曜日発行)

メルマガは、発行者からは読者を知ることができず、不特定多数の方に配信す
ることになります。読者様も増え、実名を含む記事の紹介などの支障も懸念さ
れるためです。

どうぞご理解ください。

■ 『ESHエキスパート』の詳細及びお申込みはこちらから
   → http://www.esh.co.jp/expert.html

  ★お申込みの際、≪質問・ご確認事項など≫欄に必ず「メルマガ読者」と
   ご記入ください。
  

——————————————————————–

★このメールマガジンを皆様にとってより良いものとするために、読者の皆様
のご意見やご要望をお待ちしております。是非ともお寄せください。

◇ info@esh.co.jp まで

———————————————————————

★★★読者の皆様へESHデータバンクのご案内★★★

環境、安全衛生、ISO14001、OHSAS18001に関する有料の資料集サイト「ESHデ
ータバンク」のサービス、好評提供中です。

http://www.esh.co.jp/eshdatabank.html

◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◆◇◇

【発行元】
環境ワークス株式会社
http://www.esh.co.jp
発行責任者 黒崎

★このメールマガジン転送はOKですが
 掲載された記事の内容を許可なく転載する
 ことを禁じます。問い合わせ下さい。 (C) Copyright -2009
———————————————————————-

E-MAIL NEWSLETTER

企業の環境&OHS(労働安全衛生)担当者をサポートするメールマガジンです。
配信は毎月2回、全国の事故事例や法令改正情報などをお届けします。

ページトップへ