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NO.579

硫酸含む貯水槽に転落し男性死亡/福岡

■■ ESHの解決策
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2023.11.15 No.579

企業の環境&安全衛生、ISO14001、ISO45001の担当者、管理責任者を
支援するサポーターメールマガジン

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◆ご挨拶

週明けにかけて強い寒気が日本列島を覆い、早くも冬の到来を感じさせる冷え
込みとなりました。つい最近、夏物の衣服をしまったと思いきや、急遽、厚手
のコートやマフラーを引っ張り出すなど体温調整に大忙しです。皆様もくれぐ
れも体調管理にはお気を付けください。

さて、日本自動車連盟(JAF)による「信号機がない横断歩道で車が歩行者を
優先して一時停止した割合を調べる全国調査(2023)」で、私の住む栃木県が
全国3位となりました。(1位は長野県、2位は石川県)

実は、栃木県は2018年に停止率0.9%という全国最下位を記録した過去があり
ます。県警はそれ以降「止まってくれない栃木県からの脱却キャンペーン」を
展開してきたそうです。私も恥ずかしながら以前はほとんど横断歩道で停止す
ることがありませんでしたが、いつの間にか停止するようになりましたし、
地域でも歩行者優先が根付いてきたと感じます。

全国でますます優しい運転が拡がり、不幸な交通事故が減ることを願ってやみ
ません。(門)

 

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◆オンラインセミナー「安全衛生エキスパート」録画受講のお知らせ

「労働安全衛生を体系的に学ぶ機会はないか?」というご要望にお応えし、
弊社では、2021年4月より6コースのオンラインセミナーを開催し、企業内安全
衛生担当者、コンサルタント、ISO審査員など多くの方々に受講いただき、
高いご満足を頂戴しております。

詳細は次のサイトをご覧ください。

https://esh.hp.peraichi.com/2022seminar

 

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■環境不祥事の教訓

◆基準値最大1675倍の土壌汚染 石原産業に立ち入り調査/三重 (11/2)

三重県四日市市にある石原産業の工場で、最大で基準の1675倍の土壌汚染が
見つかり、1日に四日市市が立ち入り調査を行った。

四日市市環境部によると、大阪に本社を置く石原産業が、四日市工場の敷地内
に新たな工場の建築工事を行うにあたって土壌の調査を行ったところ、有機塩
素系溶剤の一部で、皮膚に触れると炎症を引き起こす場合があるとされる
「1、2―ジクロロエタン」が、土壌溶出量の基準値の1675倍となる1リットル
あたり6.7mg検出されたという。

他にも、フッ素や同じく有機塩素系溶剤の一部であるジクロロメタンなども、
基準よりも高い数値で検出されたという。

なお、工事現場の境界付近でそれらの物質が地下水へ漏れ出していないかの調
査も行われたが、これらの物質の中で、基準値を超えるものはなかったという。

四日市市環境部は、今回の土壌汚染が直ちに周囲に影響を与えるものではない
としながらも、汚染された土壌を外部に搬出する際には適切に処理をするよう
指導するとしている。
(三重テレビ)

◆解説

この問題について、同社は2023年11月1日、「当社四日市工場における土壌汚
染について」と題したプレスリリースをしています。

この中では、次のような点を伝えています。
・四日市工場農薬製造工場跡地の一部において、土壌汚染を発見した旨の届出
を行ったこと
・自主的に土壌・地下水調査を実施した結果、「ジクロロメタン、1,2-ジクロ
ロエタン、ふっ素及びその化合物、セレン及びその化合物、砒素及びその化合
物、鉛及びその化合物」の土壌環境基準不適合が確認されたこと
・調査区域の地下水流下流側の地下水を調査したところ、地下水基準に適合し
ていたこと
・シート養生を行うとともに立入禁止措置により直接摂取防止、飛散防止等の
措置を講じていること
・土壌・地下水汚染について学識経験者等の指導を得ながら調査、修復に取り
組むことを目的として、第三者委員会である「環境専門委員会」を設置し、
対応していること
・土壌・地下水汚染対策の一つとして、既に工場内にバリア井戸を設置し、
汚染の拡散防止を図り、観測井にてその効果を確認していること

同社は化学会社であるため、過去の土壌・地下水汚染はやむを得ない面はあり
ますが、それに対してこのようなリスクコミュニケーションができていること
は評価できると考えます。

★関係者との信頼関係を築くためのリスクコミュニケーションのポイントを
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■労働災害の真相

◆硫酸含む貯水槽に転落し男性死亡/福岡 (11/7)

福岡県警小倉南署は、北九州市小倉南区にある自動車部品メーカーの工場で
3日に機械補修作業をしていた男性会社員(19)が、硫酸を含む液体が入った
近くの貯水槽に誤って転落し、その後死亡したと発表した。

署によると、事故は3日午後4時40分ごろ発生。男性は深さ約1メートルの貯水
槽から自力で出たが、下半身にやけどを負って搬送され、6日に死亡した。
署は業務上過失致死容疑を視野に詳しい状況を調べている。
(産経新聞)

◆解説

19歳という若い命が悲惨なかたちで失われたことは残念でなりません。被災者
のご冥福をお祈りします。

この災害について、メディア各社の記事を総合すると次の状況が確認されます。

災害の発生日時と場所:
2023年11月3日午後4時40分頃、福岡県北九州市の自動車部品メーカーS社

災害の被害者と状況:
同社社員の19歳の男性(小倉南区)が、一人でメッキ加工の作業をしていた
際に、硫酸を含む薬液が入っていた横幅約2.5メートル、深さ1メートルの貯水
槽のプラスチック製のふたに乗ったところ、ふたが割れて貯水槽に転落した。
男性は下半身にやけどを負い、意識はあったが手足のやけどがひどく、病院に
搬送された。

災害の結果と捜査:
男性は病院で治療を受けていたが、2023年11月6日に死亡が確認された。
福岡県警小倉南署は、業務上過失致死の疑いなども視野に、当時の状況を調べ
ている。

この災害に関連すると考えられる法令は次のとおりです。

【労働安全衛生規則】
(煮沸槽等への転落による危険の防止)
第五百三十三条 事業者は、労働者に作業中又は通行の際に転落することに
より火傷、窒息等の危険を及ぼすおそれのある煮沸槽、ホツパー、ピツト等が
あるときは、当該危険を防止するため、必要な箇所に高さが七十五センチメー
トル以上の丈夫なさく等を設けなければならない。(以下略)

【特定化学物質障害予防規則】
(定期自主検査)
第三十一条 事業者は、特定化学設備又はその附属設備については、二年以内
ごとに一回、定期に、次の各号に掲げる事項について自主検査を行わなければ
ならない。(中略)
一 特定化学設備又は附属設備については、次に掲げる事項
イ 設備の内部にあつてその損壊の原因となるおそれのある物の有無
ロ 内面及び外面の著しい損傷、変形及び腐食の有無
ハ ふた板、フランジ、バルブ、コツク等の状態
ニ 安全弁、緊急しや断装置その他の安全装置及び自動警報装置の機能(以下
略)

どのような重篤な労災も悲惨なものではありますが、特に経験の浅い若い方の
災害は職場全体でケアすることが重要です。

悲劇が繰り返されないことを願うばかりです。

★危険エリアの事故を防ぐための対策について「ESHエキスパート」で解説し
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◆本日発行「ESHエキスパート」の記事紹介

■復活!今日の言霊

こぶしを握りしめたままでは、握手はできません

■新着情報

・リスクアセスメント対象物健康診断に関するガイドラインの策定について

・気候変動に関する世論調査(令和5年7月調査)結果の公表

・YouTube「安全衛生アカデミー」新着動画

ChatGPTでリスクアセスメントはできるのか?画像認識レベルをテスト
https://youtu.be/qfGpTbC3HRc

 

■環境不祥事の教訓

より詳細な解説とベストプラクティス紹介

■労働災害の真相

より詳細な解説とベストプラクティス紹介

■環境事故・ニュースレポート

全国の事故・事件情報 5件

■労働災害レポート

全国の労働災害・書類送検情報 21件

 

【ESHエキスパート】 → https://www.esh.co.jp/expert.html

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