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NO.455

設置無届けなど不適切処理272件 非常用発電燃料タンク問題/宮城

■■ ESHの解決策
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2018.9.19 No.455

企業の環境&安全衛生、ISO14001、OHSAS18001の担当者、管理責任者を
支援するサポーターメールマガジン

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◆ご挨拶

今月6日、北海道南西部地方を震源として最大震度7の揺れを観測した北海道
胆振東部地震が発生しました。地震から10日以上経ち、徐々にライフライン
も復旧していますが、今なお多くの方が避難所生活を強いられており、余震も
続く中で不安な日々を送られていることと思います。遅くなりましたが、慎ん
でお見舞いとお悔やみを申し上げます。

7月の西日本を中心とした豪雨被害、8月に西日本を襲った台風21号による
被害、そして北海道地震と日本各地で立て続けに大きな災害に見舞われていま
す。

被災者の方々が一刻も早く平穏な日常を取り戻されることを願ってやみません。
(門)

【お知らせ】
このたび弊社のホームページがリニューアルとなりました。
是非ご覧ください。→ https://www.esh.co.jp/

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■環境不祥事の教訓

◆工場爆発、車両変色や水稲被害 プロテインケミカルが補償交渉/福井 (9/
5)

福井県若狭町の若狭テクノバレー内にある化学工場が爆発し従業員1人が死亡
した事故で、周辺に飛散した化学物質は人体や生活環境に影響はないと、事業
者のプロテインケミカル(本社東京都)が地元住民に説明していたことが9月
4日分かった。ただ、住民の健康被害や車両の変色、水稲被害が出ており、同
社は補償交渉を進めている。

同日開かれた町議会一般質問で、理事者が明らかにした。同社は工場周辺の杉
山区民らを対象に8月9、10の両日、説明会を開いた。

同社によると、爆発により飛散したのは、工場で製造していた化学物質「3―
t―ブチルヘキサン二酸」。電子材料に使われるものといい、硝酸などを原料
にしている。外部専門家の大学教授や研究所などにリスク評価を依頼し、有害
性が低いと確認したとした。

町によると、爆発後に杉山区27人、隣接工場の従業員7人の計34人が目や
のどの痛み、肌がヒリヒリする症状を訴えた。工場周辺の水田約7ヘクタール
で、稲の葉に斑点や枯れたような症状が発生。飛散物質が付着し変色するなど
した車両は42台に上った。いずれも飛散物質に含まれた硝酸が原因とみられ
るという。爆発後に周辺に漂ったオレンジ色の煙は窒素酸化物とし、人体に影
響はないとしている。

同社は杉山区などを各戸訪問して被害状況を聞き取っており、個別に補償交渉
している。

爆発事故は7月2日午後1時45分ごろに発生。同社は事故原因について調査
中としている。(福井新聞)

◆解説

以前にお伝えした爆発事故ですが、住民説明会が開催されたとの報道です。

会社は、「周辺に飛散した化学物質は人体や生活環境に影響はない」と説明し
たとのことですが、住民の健康被害や車両の変色、水稲被害が出ている実態と
整合しません。

オレンジ色の煙は二酸化窒素だと考えられ、危険性が低いということは有り得
ませんね。

同社は、外部専門家の大学教授や研究所などにリスク評価を依頼し、有害性が
低いと確認したとのことですが、健康被害や農作物の被害が継続するレベルで
はないことは事実でしょう。

ただし、有害性が低いだけでゼロではないことに配慮が必要です。

大切なのは、住民感情を害さないことです。

正論をそのまま伝えることが「リスクコミュニケーション」ではありません。
リスクコミュニケーションの目的は、”信頼関係の構築”にあることを忘れて
はなりません。

リスクコミュニケーションは、リスクが顕在化してから慌てて用意するのでは
なく、予め準備しておくことが重要です。

ISO 14001で特定した緊急事態について、リスクコミュニケーションも考えて
おくことが期待されます。

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■労働災害の真相

◆設置無届けなど不適切処理272件 非常用発電燃料タンク問題/宮城 (9/
7)

仙台市の施設で労働安全衛生法が定める届け出を怠って非常用発電の燃料タン
クなどを設置していた問題で、市は6日、調査の結果、272件で不適切な処
理が見つかったと発表した。

市は6~7月、法で届け出が必要な設備373件を調べた。地下や屋外の燃料
タンク、空調設備などで、無届けや届け出状況が不明な不適切処理が分かった。
各施設は順次、仙台労働基準監督署などに必要な手続きを行う。

法で届け出が必要なのは、燃料タンクなど25種類の設置や変更。工事開始の
30日前までに労基署などに対し、設備の配置計画などを届け出なければなら
ない。

市技術管理室は「法令教育の充実、マニュアルの見直しを行い、手続きの徹底
を図る」とコメントした。
(河北新報)

◆解説

非常用発電機の”燃料タンク”が労働安全衛生法第88条の計画の届出の対象に
なるという記事です。

恥ずかしながら、私は88条の何に該当するか理解できず、仙台労働基準監督署
に照会しました。

すると、「化学設備」に該当するというのです。

重油の燃料タンクが化学設備???

労働基準監督官から教えていただいたのですが、実は、本年4月の東京都の案
件が発端だとのことで、早速調べてみました。すると次のような記事がありま
した。

東京都のホームページより

都が設置した非常用発電機の燃料タンク等において、労働安全衛生法第88条関
連の設備設置等に係る計画の届出不備があったことが判明しましたので、お知
らせします。
(以下略)

https://www.kotsu.metro.tokyo.jp/pickup_information/news/others/2018/otr_p_201804278000_h.html

また、この他にも多くの同様のプレスリリースが出されていました。
NTT:
http://www.ntt.co.jp/news2018/1803/180329b.html
KDDI:
http://news.kddi.com/kddi/corporate/newsrelease/2018/07/13/3250.html
au:
https://newsreleases.jcom.co.jp/file/81041_print.pdf
エナリス:
https://www.eneres.co.jp/news/info/20180713.html
J:COM:
https://newsreleases.jcom.co.jp/file/81041_print.pdf

さらに、平成20年に次の通達が出ていました。

「非常用発電機用に設置されている燃料貯蔵タンクに係る労働安全衛生法の適
用について」(基安化発第1016002号、平成20年10月16日)

https://www.jaish.gr.jp/anzen/hor/hombun/hor1-49/hor1-49-74-1-0.htm

重油や軽油のタンクで労働災害が起きる事例を私は知りません。消防法の対応
をしていれば実務上問題ないと思いますが、法令である以上、順守しなければ
なりません。

私自身の不勉強を反省するとともに、本件の情報提供が遅くなりましたことを
読者の皆様にお詫びします。

★労働安全衛生法における「化学設備」について「ESHエキスパート」で解説
しています!

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◆本日発行「ESHエキスパート」の記事紹介

■復活!今日の言霊

障がい者を産みたいと思って産んだ親はいない。
障がい者になりたいと思ってなった人はいない。

■新着情報

★JIS Q 45001などの公示予定

・「労働者の心身の状態に関する情報の適正な取扱いのために事業者が講ず
べき措置に関する指針」の公表

■環境不祥事の教訓

より詳細な解説と参考事例紹介

■労働災害の真相

より詳細な解説とベストプラクティス紹介

■環境事故・ニュースレポート

全国の事故・事件情報 4件

■労働災害レポート

全国の労働災害・書類送検情報 23件

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