運営会社社長ら4人を書類送検へ 福島県郡山市の飲食店爆発事故で
■■ ESHの解決策
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2021.9.15 No.527
企業の環境&安全衛生、ISO14001、ISO45001の担当者、管理責任者を
支援するサポーターメールマガジン
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◆ご挨拶
散歩をしているとあちらこちらで金木犀の香りがふんわりと漂い秋の訪れを感
じます。金木犀の香りには鎮静作用や抗不安効果が期待できる成分であるリナ
ロールが含まれているそうで、金木犀の香りを嗅ぐと何となくほっとする方も
多いのではないでしょうか?
さて、日曜日にようやく2回目の新型コロナワクチン接種を終えました。1回
目は腕が腫れて痛い程度だったのですが、2回目の方が副反応が強く出ると聞
いていたので、解熱剤や食料品を買い込み、夕食と翌日の朝食を準備し、と万
全の体制で副反応に備えたのですが、結局、腕が痛くなる程度(しかも1回目
より軽い)で済みました。何事もなく安心したのですが、若い人の方が副反応
が強く出ると言われているので少々複雑です。
感染者数は減少傾向とされていますが、まだまだ油断せずに慎重な行動を心掛
けましょう。(門)
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◆満足度94%【2021年後期】オンラインセミナーご参加者受付中!
企業の労働安全衛生スタッフのスキルアップを図るオンラインセミナー「安全
衛生アカデミー」を後期も開催します。
上期には、51名が参加され、94%の満足度を頂戴することができました。(6段
階中の「非常に満足」と「満足」の割合)
ご参加いただいたのは、次の方々です。
・製造業の安全衛生(EHS)スタッフが約9割
・半導体、製薬、食品、自動車、機械、化学、金属、産業資材など
・本社/ホールディングスの方が約3割、事業所の方が約7割
・日本企業の方が約8割、外資系企業の方が約2割
・コンサルタント、ISO審査員の方が約1割
・個人で自費参加の方も多数
【後期日程】
10月22日:リスクアセスメントのレベルアップ
11月26日:マネジメントシステム/ガバナンス
12月17日:労働安全衛生法と順守評価手法
1月21日:リスクベース監査・パトロール
2月25日:事故調査・根本原因分析
3月18日:グローバルレベルの安全衛生管理手法
・6回シリーズでも単発でも受講可能です。
・ご都合が合わない場合、録画視聴も可能です。
受講者の声や費用などの詳細は次のサイトをご覧ください。
https://peraichi.com/landing_pages/view/gfrsv
さらにパワーアップしてご提供しますので、是非ともご参加ください。
★9/24(金)「グローバルレベルの安全衛生管理手法(RBA)」もまだ間に合
います。
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■環境不祥事の教訓
◆消毒液8400キロ、川に流出 岡山県里庄町の浄水場、配管破損が原因 (9/2)
岡山県西南水道企業団は2日、里庄町新庄の浄水場から消毒用の次亜塩素酸ナ
トリウム液約8400キロが近くの浜中川に流出したと発表した。配管の破損が原
因。人の健康被害は確認されていないが、川の魚が40~50匹死んでいるのが見
つかった。
同企業団によると、同日午前11時から午後0時半にかけ、次亜塩素酸ナトリウ
ムを保存するタンクと別の槽をつなぐ塩化ビニール製パイプ(直径2センチ)
が外れて流出した。約3キロ下流の海まで流れたとみられる。
午後2時ごろに川の水を検査した結果は中性で、カルキ臭は同5時ごろには消え
ていたという。同企業団は川のそばに近づかないよう広報車などで付近住民ら
に呼び掛けた。
会見した同企業団企業長の小林嘉文笠岡市長は「破損の原因を究明し、日常の
点検を徹底する」と述べた。
(山陽新聞)
◆解説
岡山県西南水道企業団は、同日、次の「お知らせ」を里庄町のホームページに
掲載しています。
お知らせ
(当企業団新庄浄水場からの次亜塩素酸ナトリウムの流出事故について)
2021年9月2日,当企業団新庄浄水場から配管破損が原因で,地域を流れる浜中
川に次亜塩素酸ナトリウム約 8,400kg が流出する事案が発生しました。流出
が始まった時刻は11時頃と推定され,機器の警報によって12時半頃当該事象を
発見し,バルブ閉塞により流出を停止する措置を行い,12時30分に流出停止を
確認しました。
近隣地域・住民・利用者の皆様,関係機関の皆様には,多大なるご心配とご迷
惑をおかけし,心よりお詫び申し上げます。
塩ビ配管が外れて流出したとのことですが、8.4トンもの次亜塩素酸ナトリウ
ムが河川に流出してしまったことは避けるべき事態でした。
詳細は不明ですが、塩ビ配管の劣化は多くの企業で見られる環境リスクです。
他山の石として、自社の塩ビ配管(特に屋外)の劣化状況と万一漏えいした際
の郊外への流出防止策を見直すことを期待します。
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■労働災害の真相
◆運営会社社長ら4人を書類送検へ 福島県郡山市の飲食店爆発事故で郡山警
察署 週内にも (9/2)
福島県郡山市島二丁目にあった飲食店「しゃぶしゃぶ温野菜郡山新さくら通り
店」で昨年7月に起きた爆発事故で、郡山警察署は安全管理を怠ったなどとし
て、店を運営していた会社の社長ら4人を業務上過失致死傷の疑いで週内にも
書類送検する方針を固めた。ガス管が国の安全基準に合わない状態で設置され、
点検でも改善されずに腐食した結果、事故が起きたと判断したもよう。死者、
重軽傷者20人を出した事故の捜査は発生から1年余りで節目を迎える。
捜査関係者によると、書類送検するのは運営会社社長の他に、同店にガス設備
を販売・供給していたガス販売業者の幹部、ガス設備の法定点検を担当してい
た保安機関の幹部と担当者とみられる。
経済産業省は昨年12月に公表した調査報告書で、事故原因をガス漏れと推定
した。湿気に弱い性質のガス管が湿気の影響を受けやすい厨房の床面に接して
いた点を、安全基準を定めた法令に反していると指摘。腐食により、管にでき
た穴や亀裂から漏れたガスが何らかの理由で引火、爆発したとしていた。
郡山署は、こうしたガス設備の不適切な設置方法や使用状況を踏まえ、運営会
社が店舗を適切に管理していなかった疑いが強まったと判断したもようだ。ガ
ス管を基準違反の状態で設置し、腐食を防ぐ措置を取らなかったとして販売業
者、法定点検を委託されながら問題を改善しなかったとして保安機関にも過失
を問うべきと判断したとみられる。
店内の改装工事をしていた内装業者の社員で、事故直前に店に入って死亡した
男性=当時(50)=も、爆発との関わりを否定できないなどとして業務上過
失傷害の疑いで書類送検するもよう。
爆発事故は同店の休業期間中だった昨年7月30日午前9時前に発生した。爆
発の衝撃などで内装業者の男性が死亡した他、近隣住民ら男女19人が重軽傷
を負った。
(福島民報)
◆解説
2020年7月、福島県郡山市の改装休業中の飲食店でLPガスのガス爆発が発生し、
工事業者1人が死亡、近隣住民19人が重軽傷、建物被害230棟の惨事となった事
故に対して福島県警が関係者を書類送検したものです。
書類送検されたのは次の5名です。
・店舗運営会社の社長
・ガス設備を販売・供給していたガス販売業者幹部(ガス管を基準違反で設
置)
・ガス設備の法定点検を担当していた保安機関の幹部と担当者
・店内改装工事の内装業者の社員(爆発で死亡)
店舗運営会社の社長は、防火管理者の未選任や消防計画の未作成が明らかとな
りました。
ガス販売業者幹部は、配管の施工が不適切でした。事故後の経産省の調査で、
厨房のシンク下を通るSGP配管(白管)に腐食が見つかりました。SGPは腐食し
やすく、多湿部や水の影響を受ける恐れがある場所を避けて、コンクリート面
などの導電性の支持面に直接触れないようにする必要がありました。
保安機関の幹部と担当者は、経産省が点検・調査記録を確認したところ、19年
12月の調査時点で配管の状態や腐食防止措置に問題はないと報告していました。
店内改装工事の内装業者の社員はとてもお気の毒です。原因は不明ですが、漏
えいしたガスに引火したきっかけを作ったと想定され被疑者死亡のまま送検さ
れました。
多くの災害はいろいろな要因が重なって起きるものです。本件を見ると「スイ
スチーズモデル」において、チーズの穴が重なり、管理策をすり抜けて災害に
至る様子を現実化していると感じます。
それぞれの役割において責任を果たし、不幸な災害を防止することを願うばか
りです。
なお、本件に関する経産省の事故調査や法令の詳細を含む資料は次のサイトを
ご確認ください。
この記事に関する解説は、YouTubeチャンネル「安全衛生アカデミー」でも
お伝えしています。どうぞご覧ください。
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■復活!今日の言霊
憶測だけで制限をかけてしまうのはムダなことだ
■新着情報
・令和2年度化学物質のリスク評価検討会報告書
・YouTube「安全衛生アカデミー」新着動画
■環境不祥事の教訓
より詳細な解説とベストプラクティス紹介
■労働災害の真相
より詳細な解説とベストプラクティス紹介
■環境事故・ニュースレポート
全国の事故・事件情報 3件
■労働災害レポート
全国の労働災害・書類送検情報 27件
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