無料メールマガジン詳細

NO.265

違法廃棄:狭山市浄化センター、浄化槽をそのまま地中に埋める 県が是正指導/埼玉

■■ ESHの解決策
■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
                          2010.10.20 No.265

企業の環境&安全衛生、ISO14001、OHSAS18001の担当者、管理責任者を
支援するサポーターメールマガジン

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

◆ご挨拶

今月4日、ハンガリー西部でアルミニウム工場から泥状の有毒物質が大量に流
れ出し、周辺の村を汚染するという大惨事が発生しました。15日時点で死者
9名、負傷者150名、行方不明者2名が確認されています。

人為的ミスがもたらした最悪の環境事故。その惨状は皆さまご存知のことと思
いますが、呆れたことに事故を起こした会社関係者によると、5月から6月に
かけて中央ヨーロッパを襲った洪水により池の水位が上がってしまい、堤防が
決壊してしまったことが原因(即ち人災ではなく天災)と証言しているそうで
す。さらに驚くことに、従業員の雇用を維持するためとして、15日には操業
を再開したというのです。

また住民の半数近くが帰宅し始めているようですが、汚泥には毒性の強い化学
物質が含まれており、靴や衣服に付くと発火するばかりか、体内に入ると命に
関わるほどの毒性を持っていることを考えると、各々が何の対策も立てずに除
去作業を進めてしまったら、大規模な二次災害を引き起こす恐れもあります。

この事故の影響は図りしれませんが、二次災害防止、環境対策はもちろんのこ
と、被害者の方の後遺症やPTSDへのケア、さらにこれから起こるであろう
農家の方々への風評被害も含めて、ハンガリー政府には迅速かつ確実な対応を
期待したいものです。(門)

———————————————————————

■環境不祥事の教訓

◆違法廃棄:狭山市浄化センター、浄化槽をそのまま地中に埋める 県が是正
指導/埼玉 (10/8)

狭山市柏原の市浄化センター(し尿処理場)で、使わなくなった浄化槽を廃棄
する際、市が廃棄物処理法に違反して、槽をそのまま地中に埋めて処分してい
たことが、7日分かった。県は同法違反を指摘し、槽を掘り出して最終処分場
に持ち込むなど適切に処分するよう、市を口頭で指導した。

浄化槽はコンクリート製で、長さ約37メートル、幅約26メートル、深さ約
5~7メートル。大半が地下に埋め込まれ、上部約1メートルが地上に出てい
た。

槽は下水道化の進展で、20年以上前に使われなくなった。市は、槽のある土
地を広場として再利用しようと計画。08年度から約1700万円をかけて槽
の廃棄工事を進めてきた。槽の上部約2メートルを切り取り、残りはそのまま
埋めて更地にする工事で、先月末に土をかぶせ終わった。

しかし今月、センター近くに住み工事を見ていた田中寿夫・同市議が「違法で
はないか」と指摘。4日に市が県に相談すると、県は「産業廃棄物を、知事の
許可なく最終処分したことになり、違法」と指摘し、是正を指導した。

市資源循環推進課は「槽が廃棄物だという認識がなかった」と説明。掘り出し
て処分し直す方針を明らかにした。掘り出し工事は来年度に設計を行い、実施
は再来年度の見通しという。

◆解説

この記事に違和感を覚えるのは私だけでしょうか。

例えば、ガス化などにより廃止される重油タンク等の危険物地下タンク貯蔵所
の場合は、重油処分の上、タンク内清掃、各配管密閉、砂入れ、マンホール塞
ぎで消防署に廃止届けを提出し処理されています。

建築物の基礎なども完全に除去せず表面舗装のケースも多いと思います。

しかし、本ケースで埼玉県は「産業廃棄物を、知事の許可なく最終処分したこ
とになり、違法」と指摘しているのですから上記のケースも廃掃法違反になっ
てしまうのでしょうか。

このようなケースに詳しい読者の方は、是非とも情報をお寄せください。

いずれにしても、工事着工前の事前アセスメントと行政とのコミュニケーショ
ンの重要性を示す事例といえます。

★機械、設備導入時及び廃止時の事前アセスメントのベストプラクティスを
「ESHエキスパート」でご紹介しています!

【ESHエキスパート】 → http://www.esh.co.jp/expert.html

  ☆【ESHエキスパート】は大手ISO審査機関に審査員教育用資料として
   採用されています。

———————————————————————-

■労働災害の真相

◆臼杵・浄水場事故:停職や減給など4人を懲戒処分 /大分 (10/14)

臼杵市掻懐(かきだき)の籠ノ瀬浄水場で先月21日、殺菌用の薬剤を間違え
て近くにいた4人が体調不良となった事故で、同市は13日付で当事者の職員
2人を含む4人を停職などの懲戒処分とした。中野五郎市長は「一刻も早く、
市民の信頼回復に努めたい」とコメントした。

薬剤を間違えた上下水道課の男性主幹(54)は停職1カ月、現場にいた同課
の男性副主幹(42)も減給10分の1(6カ月)。また監督者の担当課長代
理を減給10分の1(2カ月)、同課長も戒告。このほか、同課参事を訓告、
水道企業ふるさと建設部長ら2人を文書厳重注意。また、「今後の安全管理を
促す」ため、水道企業職員全員を口頭厳重注意とした。

◆解説

前号でも特集でお伝えした事故で、概要は次のとおりです。

滅菌用のアルカリ性の「次亜塩素酸」が入った薬液タンク(容量200リット
ル)に液を補給する際、誤って包装が似ており表記も小さかったため間違って
「希硫酸」を注入してしまった。

結果として上水道の給水には支障がなかったということでした。

薬剤を間違えた職員に停職1ヵ月という処分は、ヒューマンエラーによる労働
災害に対する処分としては疑問を感じます。

同市のホームページにも事態の詳細は掲載されておらず不明なのですが、ハザ
ードコミュニケーションに関して、手順、教育、現場管理などのマネジメント
は十分だったのでしょうか。

真の原因を追究せずに当事者を処分したのであれば「今後の安全管理を促す」
ことにも「市民の信頼回復」にも繋がらないと感じます。

★このような事例での欧米の対応、OHSAS18001の発生事象の調査における確認
項目を「ESHエキスパート」でご紹介しています!

【ESHエキスパート】 → http://www.esh.co.jp/expert.html

———————————————————————

★環境・安全衛生のリスク察知感性と解決策の提示力を高める

◆本日発行「ESHエキスパート」の記事紹介

■今日の言霊

 持てるものに満足し、すべてをあるがままに受け入れる。
 欠けているものはないと気づいたとき、真の幸せを得ることができる。

■新着情報

・経営事項審査の審査基準の改正等について(ISOによる加点)

・地球温暖化対策基本法案の閣議決定

■環境不祥事の教訓

 より詳細な解説と参考事例紹介

■労働災害の真相

 より詳細な解説とベストプラクティス紹介

■環境事故・ニュースレポート

 全国の事故・事件情報3件

■不法投棄関連情報

 全国の不法投棄関連情報1件

■労働災害レポート

 全国の労働災害・書類送検情報6件

【ESHエキスパート】 → http://www.esh.co.jp/expert.html

———————————————————————-

本メルマガは、「ESHエキスパート」のダイジェスト版をお届けしています。
(2回/月:第一、第三水曜日発行)

メルマガは、発行者からは読者を知ることができず、不特定多数の方に配信す
ることになります。読者様も増え、実名を含む記事の紹介などの支障も懸念さ
れるためです。

どうぞご理解ください。

■ 『ESHエキスパート』の詳細及びお申込みはこちらから
   → http://www.esh.co.jp/expert.html

  ★お申込みの際、≪質問・ご確認事項など≫欄に必ず「メルマガ読者」と
   ご記入ください。
  

——————————————————————–

★このメールマガジンを皆様にとってより良いものとするために、読者の皆様
のご意見やご要望をお待ちしております。是非ともお寄せください。

◇ info@esh.co.jp まで

———————————————————————

★★★読者の皆様へESHデータバンクのご案内★★★

環境、安全衛生、ISO14001、OHSAS18001に関する有料の資料集サイト「ESHデ
ータバンク」のサービス、好評提供中です。

http://www.esh.co.jp/eshdatabank.html

◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◆◇◇

【発行元】
環境ワークス株式会社
http://www.esh.co.jp
発行責任者 黒崎

★このメールマガジン転送はOKですが
 掲載された記事の内容を許可なく転載する
 ことを禁じます。問い合わせ下さい。 (C) Copyright -2009
———————————————————————-

E-MAIL NEWSLETTER

企業の環境&OHS(労働安全衛生)担当者をサポートするメールマガジンです。
配信は毎月2回、全国の事故事例や法令改正情報などをお届けします。

ページトップへ