高知・建設中マンション火災:労安法違反容疑で奥村組を書類送検-労基署/高知
■■ ESHの解決策
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2010.9.15 No.263
企業の環境&安全衛生、ISO14001、OHSAS18001の担当者、管理責任者を
支援するサポーターメールマガジン
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◆ご挨拶
先週から前線の影響で各地で激しい雨が降り、土砂災害や浸水などの被害も出
ています。被害に遭われた皆さまには心よりお見舞い申し上げます。
この雨を境に秋の空気に入れ替わり、ようやく猛暑は落ち着くとのことです。
夏の疲れが出やすい時期でもありますので、十分に休養を取るよう心がけまし
ょう。
さて先日、携帯電話を買い換えました。そもそも、携帯電話の新機種にはあま
り興味がなく、通話とメールが出来れば十分と思っています。ですから以前の
携帯は4年以上使用していました。(買い替えの平均は2年とか・・・)
新機種になって機能を使いこなしているかというと、相変わらず使うのは通話
とメールのみ。でも最近の携帯電話には万歩計がついていることを発見し、早
速1日の目標歩数を控え目に5千歩に設定してみました。
ところが結果を見て愕然。座り仕事が多い私は、平日は千歩にも満たないこと
も・・・常に携帯を持ち歩いていないにしても情けなさすぎます。
この夏の暑さで休止していた昼休みの散歩を再開せねば!と決意を新たにいた
しました。(門)
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■環境不祥事の教訓
◆重油流出:おたる水族館から1500リットル、海に-北海道・小樽 (9/2)
1日午前7時25分ごろ、北海道小樽市祝津3の「おたる水族館」から「重油
が海に流出した」と小樽海上保安部に通報があった。流れ出た約1500リッ
トルの油は一時、近くのマリーナから祝津漁港にかけて幅約50~100メー
トル、長さ800メートルに広がったが、同日夕までに小樽海保や地元漁協な
どが回収し、油はほぼ取り除かれた。
小樽海保などによると、水族館には館外に約7000リットルが入る燃料タン
クが設置されており、館内のタンク(約240リットル)に重油を送っている。
自動で量を調節しているセンサーが、何らかの原因で働かなくなっていたとみ
られ、午前7時ごろに出勤した職員が、異臭がしてタンクからあふれ出ていた
油に気付いたという。小樽海保は2日朝から油が残っていないかを確認し、流
れ出した排水溝付近で残った油の除去作業などを行う。
◆解説
同水族館のホームページには次のような状況説明がアップされています。
本日、午前7時ころ、当水族館から、ボイラー燃料の重油を海に流出させてし
まう事故を起こしてしまいました。
流出量は約1500リットルです。油の量を調節する自動センサーの故障が原因で
した。
移送時におけるレベルセンサーの故障によるオーバーフロー流出事故は頻繁に
発生しています。
レベルセンサーには、フロート式、電極式、超音波式、圧力式などがあります
が、どのようなタイプのセンサーでも故障は起こりえます。
構外流出や土壌汚染のリスクの高い箇所については、点検頻度のアップ、セン
サーの二重化などの対応が必要です。
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しています!
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■労働災害の真相
◆高知・建設中マンション火災:労安法違反容疑で奥村組を書類送検-労基署
/高知 (9/7)
昨年12月、建設中の高知市の分譲マンション「シティタワー高知」(17階
建て)が焼け、作業員1人が死亡した火災で、高知労働基準監督署は6日、次
を労働安全衛生法違反の疑いで高知地検に書類送検した。
▽工事の請負会社の「奥村組」
▽同社員で現場作業所長だった男性(62)
▽内装工事を統括していた下請けの男性(36)
送検容疑は、奥村組と作業所長は、昨年12月2日午後4時ごろ、断熱発泡ウ
レタンが吹き付けられたマンション1階の建設現場で、火気は原則使用禁止で、
火気を使用する場合も、不燃シートなどで覆うといった作業手順の連絡を行わ
ず、溶接作業を行わせた。また、内装の男性は従業員(33)に溶接作業を行
わせたとされる。
同署によると、ウレタン発火による火災が近年相次ぎ、燃えにくい素材のウレ
タンが増えているが、今回のウレタンは非常に発火性の高いものだったという。
現場近くで作業していた従業員は「飛び散った火花がウレタンに触れ、ボッと
一気に燃え上がった」と話しているという。
奥村組は「書類送検されたことを真摯(しんし)に受け止めている。今後も捜
査に全面協力するとともに、再発防止に万全を期する」と話している。
同マンションは今後、1年かけて解体される予定。
◆解説
溶接の火、つまりホットワークによる火災死亡事故です。
ホットワークの優先順位は次のとおりです。
1.ホットワークを避ける
まずは、火災リスクの高い場所でホットワークを避けることが第一条件です。
例えば別の場所で加工してから搬入する、別の工法を用いる、などしてホット
ワークを避けることが重要です。
労働安全衛生規則では次のとおり規定しています。
(危険物等がある場所における火気等の使用禁止)
第二百七十九条 事業者は、危険物以外の可燃性の粉じん、火薬類、多量の
易燃性の物又は危険物が存在して爆発又は火災が生ずるおそれのある場所にお
いては、火花若しくはアークを発し、若しくは高温となつて点火源となるおそ
れのある機械等又は火気を使用してはならない。
2.確実に養生する
やむを得ずホットワークをする際には、確実な「養生」が不可欠です。可能な
限り可燃物を除去した上で、養生シート/フェンスにより遮断することが必要
です。
また、養生施工後の承認制度、工事中の立会者の配置などのソフト対策も重要
です。
労働安全衛生規則では次のとおり規定しています。
(ガス溶接等の作業を行う場合の火災防止措置)
第三百八十九条の三 事業者は、ずい道等の建設の作業を行う場合において、
当該ずい道等の内部で、可燃性ガス及び酸素を用いて金属の溶接、溶断又は加
熱の作業を行うときは、火災を防止するため、次の措置を講じなければならな
い。
一 付近にあるぼろ、木くず、紙くずその他の可燃性の物を除去し、又は当
該可燃性の物に不燃性の物による覆いをし、若しくは当該作業に伴う火花等の
飛散を防止するための隔壁を設けること。
二 第二百五十七条の指揮者に、同条各号の事項のほか、次の事項を行わせ
ること。
イ 作業に従事する労働者に対し、消火設備の設置場所及びその使用方法を周
知させること。
ロ 作業の状況を監視し、異常を認めたときは、直ちに必要な措置をとること。
ハ 作業終了後火花等による火災が生ずるおそれのないことを確認すること。
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■今日の言霊
エネルギーはダム湖のように上に貯まっている。
水が流れ込んでこないのは、
「我欲」「執着」「こだわり」の三つのゴミが止めているから。
■新着情報
・再生砕石に混入するアスベスト対策について
・温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度説明会の開催について
・労働災害による死亡者の大幅増加を受けた、緊急対策の実施について
■環境不祥事の教訓
より詳細な解説と参考事例紹介
■労働災害の真相
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■環境事故・ニュースレポート
全国の事故・事件情報6件
■不法投棄関連情報
全国の不法投棄関連情報3件
■労働災害レポート
全国の労働災害・書類送検情報8件
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